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第七回:信用って大事よね

日本ははんこ文化でして、基本的に契約書や、役所に出す書類なんかには当たり前のようにはんこを押すことが求められます。はんこを押すことによって本人の意思表示が間違いのないものとして認められる、また以前押されたはんこと同じはんこを持つ人は本人であるという推定ができるという意味もあるでしょう。今日はこのはんこでちょっとおもしろいことがあったので、それについて。


近頃、このホームページからのご依頼を受けることが多くなってきたのですが、インターネットという性質からご依頼は全国レベルで受けます。そのお客様の利用快適度を上げるために、お客様の振り込みようのための預金口座を新たに作ることにしました。やっぱり振り込むなら近くにあって、手数料が少なくて済む銀行の方がいいでしょうし。

というわけで大阪にある巨大テーマパークUSJに名前がとてもよく似た大手都市銀行に口座開設の申し込みに行ってきました。この銀行はこの前、公的資金というなの税金を投入したにもかかわらず、その税金投入の前提であったはずの中小企業にお金を貸すようにするという義務を果たさなかったために国から怒られてました。まあ、それはそれでいろいろ意見の分かれるところなのですが、これはここではおいておいて、そういう批判にもかかわらず私が銀行に行ったときも結構な数の預金者・利用者でにぎわっておりました。

このUSJにとても名前がよく似た大手都市銀行はさすが大手だけあって、私が口座開設の申込書を書いているときに、私の横について書類の書き方を指導してくれまして、懇切丁寧に教えてくれました。口座名を書くときに行政書士はまだ法人化ができないので、必然的に「行政書士亀井事務所 亀井健士」と個人名を入れなければならないのですが、そこのところをこれでいいかと聞いたら「はいこれでいいですよ」とそのままその行員は書類をもって行ってしまいました。
私はまだどこにもはんこを押していなかったので、「はんこは?」と聞くと、「後からです」といったので安心してイスに座って待っておりました。

その後通帳ができたと呼び出しがあったので窓口まで行くと、さっきの私に書き方を教えてくれた行員とは違う人が座っておりまして、おまけのティッシュと通帳を渡されました。私はまだどこにもはんこを押していない状態だったので、「どこにはんこ押せばいいですか?」とその窓口の行員に聞きますと、「いえ、複印はちょっと前に廃止になりまして押す必要がなくなりました」と私に説明しました。複印(これで漢字があっているかは謎)とは、通帳内に届出書と同じはんこを押すもので、通帳の持ち主にとっては自分が届け出にどのはんこを押したのか調べやすいというメリットと、通帳を落としてしまったらその複印からはんこを作られてしまうというデメリットを兼ね備えた制度でこれを廃止するのは確かに意味があるようです。

ただ私の場合、届出書にもまだはんこを押していないわけで、まさかこのUSJにとても名前がよく似た銀行では通帳だけ持ってくればはんこ押さないでも引き出しができるのかとびっくりしてもう一度聞きますと、「え?!ちょっと待ってください」と奥に行き、私のはんこがまだ押されていない口座開設申込書をみて、あわてて私にはんこを押させました。私はそのときは笑っていたのですが、その行員は青ざめておりました。

もし、このはんこを押していないことを私がつっこまなければ、この口座はお金は入れられるけれども出すことができないというすごい通帳ができあがっていたわけで、今から考えると私もぞっとします。

今の不良債権問題で、銀行としては人件費を削ってコンピュータなんかを導入して効率化を図って生き残りに必死なわけですが、しかし、いくら効率化が進み、経費削減により収益が上がったとしても、商売をするものにとって一番重要な物である信頼性を損なってはお客様は離れていくと思います。このはんこの件の場合は、確かに銀行さんも人件費削減で忙しいんだろうけど、一番肝心なところで気を抜いちゃあいけないよと。

これは銀行に限らず日本という国自体にも当てはまることでして、若い世代で年金を払わない人がいっぱいいるのはなぜかといったらやっぱり国自体の信頼性が落ちてしまったせいで、今年金を払っても将来的には自分たちは払った額より多くはもらえないだろうと思っているからです。政府がいくら年金は大丈夫だといったとしても政府自体が信用されていないし、大体、今のように年金をもらえる年齢をどんどん引き上げていくようなことをしていたら信用しろと言う方に無理があります。私はしまいにゃ年金もらえる年齢が一〇〇歳からとか言い出すんじゃないかとにらんでおります。確かにそれだったら将来的に年金は破綻しないんだろうけど、単なる言葉の遊びにしか過ぎないんではないかと。

今の日本の不況の主な原因は国民が国を信頼できなくなってしまったから、極端に自己防衛に走りお金を使わなくなったことに主な原因があると思います。野村さちよさんだって北海道で巨額脱税で捕まった元税務署長をしていた税理士の脱税理由だってその理由は老後の不安でした。この不安を取り除くことが不況脱却につながるのではないかと。
これは生ぬるい政策を行えというわけではなく、ばんばん構造改革とやらもすればいいと思うのです。国民が国を信頼できない理由は、結局国民には我慢せよといいながら自分たちはのらりくらりと安定した生活を行えるようにしている一部の国政を動かす人がいることだったり、言っていた政策をころころ変えることが国民には嘘を言っているようにしか感じられないと言うことなのです。どんなに良い政策を現実には行っていたとしても、嘘を言うような人を信頼することはできません。

信頼というのはお金に換算すればとんでもない価値を持つ物です。多少金銭的に厳しくなろうとも、一番重要な信頼性だけは失わないように頑張って事務所経営せないかんなあと思った次第でした。日本政府も頑張ってね〜


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