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第18回:メール相談で

「ごめん、俺、帰るわ・・・」
たとえ土日でも、小学生のごとく門限の決まっているかのような私は、友人と遊んでいるときに何度この言葉を言ったかわかりません。後ろ髪引かれつつ、なんで夕方の6時なんていうまさにこれからって時に事務所に帰らないといけないか、そうそれは初回無料相談のメールのためです。

曜日によっても変わるんですが(なぜか火曜日の夜に相談が多いです、多分日曜日に悪徳商法にだまされ、月曜日に一日悩んだ挙句、火曜日に相談して頂いているのだと思いますが)、ほぼ毎日メール相談が何通か全国各地のから頂きます。そのメールを読んで一件一件返信するんですが、私はかなり個別具体的な内容を返答するため、一件のメールを返信するのに30分から1時間は少なくともかかっています。しかも、それをメールを頂いてから24時間以内にしなくてはならないのですから結構大変。だから深夜まで作業することも多いです。私に無料相談してくださった方はわかる方もいると思うのですが、午前三時なんかにメールがお客様に届くこともざらです。

このメール相談、ご利用いただいた方には結構好評でして、そのまま有料相談に移行してくれる方もかなりいます。ただ、有料になってから思うのは、お客様が最初に書かれていた事情と、よくよくメールをやり取りして明らかになった事情に結構乖離があるということなのです。
これはお客様がうそをついていたということではなく、実際あった事実を送信して頂いているのですが、いわゆる、法的に問題となる点が初回のときには書かれておらず(そりゃ、その論点がわかっていたら相談なんかする必要もないわけなんですが)、しかも、後から聞いた事情によって相談してくださったお客様にとって有利に働く情報がどんどんでてくるのです。有利に働く情報が後から知らされるということはつまりは、有料に移行せず無料相談で終わってしまったお客様は、実際はご自身が有利な状況にあるにもかかわらず、それを知らないままにしてしまっているということです。相談内容で特にこれを感じるのは、遺産分割と悪徳商法被害相談です。

私は仕事として行政書士を行っているので無料から有料相談に移って欲しいという気持ちは当然あるのですが、無料から有料に移行するかどうかはお客様が決めることであり、私が決めることではありません。というわけで、それこそ悪徳商法のように無理やり有料相談するということができないわけなんですが、回答している私からしても、有料に移行さえすれば多分もっと悩まずに手っ取り早く解決するのにと思う相談もかなりあります。特に悪徳商法被害額と、遺産分割のお金は額が大きいですから、私としては、有料相談の4000円を惜しんだせいで4000万円も損してしまうなんてなんてもったいないんだろうと思ってしまうのですが・・・。
こうかくと、じゃあ無料で続けて回答してあげろよ、って声も聞こえてきそうですが、毎日毎日新たな相談メールが来るので、無償での複数返信は続けられないという物理的要因と、初回無料相談による返答で悩んでいる人への私からの社会貢献は果たしたので、2回目以降は世の中の経済のためにも無料で回答するのはむしろすべきでないとの理念的要因の2つによってそれは行いません。もし、私がすべての相談を無料で受けたとしたら、他の行政書士のところにはだれも相談に行かなくなり私にばかり相談は集中するでしょう。でもそれでは私は飢え死にしてしまいますし、もし他分野においても社会全体で同様のことが起こるとするなら経済はどんどん縮小していくでしょう。そうすると、だれも得しないわけでして、やはりサービスを受けるには、その対価を支払うということが世の中全体でみれば必要なことではないでしょうか?

裕福な人が行う無償の行為、たとえばパソコン指導などが、実はそれをその人たちが無償で行わなければ雇用が生まれ、新たな産業となっていたにもかかわらず、無償で行われてしまうことによりその雇用がつぶされてしまい、現在の不況が悪化しているのではないかと裕福ではない私は思いつつ、有料に移行してくれることを祈りながら今日もカタカタと返信メールを打ち続けるのでありました。



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